歯科治療でもバイタルサインをチェック!

疾患

日本は超高齢化社会です。

高齢になると全身的な疾患を何も持っていないという人の方が少ないと思います。

そのように全身疾患をお持ちの患者さんは歯科治療でも気をつけなければいけないことがあります。

虫歯の治療での麻酔、抜歯時の出血、治療時の緊張による頻脈など・・・

さらに、バイタルサインをいつもチェックすることで気づかなかった全身疾患に気づくこともあります。

今日は歯科医院でバイタルサインを確認する大切さについて解説します。

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歯科医院に来院する患者さんの中で多い全身疾患

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 不整脈
  • 虚血性疾患
  • 脳血管疾患
  • 甲状腺機能障害       など

この中でも、高血圧と糖尿病の患者さんは多い印象です。

問診票の全身疾患の欄に記入がないのに「何かお薬を服用していますか。」と聞くと「高血圧の薬だけ飲んでいます。」という患者さんは多いです。

歯科医師は患者さんの全身疾患も考えて治療をしますので、全身疾患のある方、何かお薬を服用している方は必ず伝えるようにしましょう。

バイタルサインをモニタリング

バイタルサインとは人間が生きていることを示す指標のことです。

脈拍、血圧、呼吸、体温の4つの指標をいいます。

この数値を測定することでその日の患者さんの状態を把握することができます。

治療中のバイタルサインの確認はモニターを使って行います。

モニターでは次の項目を測定します。

  • 心電図
  • 呼吸数
  • 血圧
  • 動脈酸素飽和度
  • RPP
  • 心拍数
  • 脈拍数
  • 体温         など

これらの項目を測定しながら治療をしていきます。

歯科医院を選ぶ指標にもなる

え?歯科医院でもバイタルサインをモニタリングするなんて知らなかった!

という人も多いのではないのでしょうか。

最近の歯科ではお口だけでなく全身も診る傾向にあります。

もちろん歯科医師が治療するわけではないですが、お口の状態やモニタリングでの数値などで歯科医師が全身疾患の兆候に気づいて医科と連携します。

歯周病などの疾患が糖尿病や脳血管疾患、認知症に関係しているといわれているように歯科疾患は全身に影響を与えます。

全身麻酔での手術をする前に口腔ケアを行っておくと肺炎や術後感染、挿管チューブ挿入時の歯の脱落を予防することができます。

このように最近の歯科は医科との連携が重要と考えています。

バイタルサインをみるモニターがある医院では患者さんの管理をしっかりと行う、医科との連携が大切だと考えていると思います。

そのような歯科医院ではお口だけでなく全身も注意して治療してくれますので歯科医院をお探しの方はモニターがあるかどうかもホームページなどで確認するとよいでしょう。

歯科治療中に注意が必要な疾患

  • 高血圧
  • 虚血性心疾患
  • 不整脈
  • 心不全
  • 脳血管障害
  • 喘息
  • 慢性気管支炎
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症
  • 副腎皮質機能不全
  • てんかん
  • 慢性腎臓病
  • アレルギー(麻酔、薬、金属など)
  • その他(かかりつけ医にて注意を受けている方)

上記のような疾患がある方は歯科治療中に注意が必要です。

歯科治療は内容によっては患者さんに大きなストレスを与えます。

バイタルサインをモニタリングをすることで全身状態を把握しながら治療することができます。

また、ストレスによって患者さんの基礎疾患が急激に増悪して発作などが起こった場合、モニタリングをしていると即座に救急処置をすることができます。

何か全身疾患がある方は担当医に必ず伝えましょう!

歯科治療は思ったより患者さんにストレスがかかります。

歯科治療を苦手と感じている人は特にそうです。

小さな虫歯の治療のために麻酔をしても血圧は20ほど上がります。

全身疾患があることが分かっていれば治療の際に気をつけたり、医科に対診をとることもできます。

安全に治療するために、全身疾患があるか、服用薬剤はあるかは担当医にしっかりと伝えましょう。

まとめ

歯科治療中に注意が必要な疾患やバイタルサインのモニタリングの大切さについて解説しました。

抜歯や虫歯の治療、神経の処置は患者さんにかなりのストレスがかかります。

それが原因で全身疾患が増悪する場合もあります。

適切な管理、対応をするためにバイタルサインのモニタリングはとても大切です。

歯科医院はこのような装置があるところを選びましょう。

参考文献

岡山大学歯科麻酔科HP (okayama-u.ac.jp)

バイタルサインモニタで広がる医科歯科連携 前編 | WHITE CROSS

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