歯周病によってアルツハイマー型認知症になる!?

疾患

最近は歯周病が糖尿病や脳血管疾患、早産などの全身疾患に関係しているということがわかってきました。

健康でいるためにはお口も健康でいる必要があります。

歯周病と関係がある全身疾患の中にアルツハイマー型認知症があります。

アルツハイマー型認知症の脳からP.g菌という歯周病菌が発見され、P.g菌が産生する毒性のタンパク質分解酵素であるジンジパインも確認されています。

最近の研究で歯周病菌が脳に蓄積する仕組みも解明されています。

今日はアルツハイマー型認知症と歯周病の関係について解説していきます。

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認知症とは

認知症とは脳の病気や障害によって認知能力が低下して、日常生活に支障をきたす病気です。

認知症患者は年々増加しており、2025年には約700万人、5人に1人が認知症になるといわれています。

  • アルツハイマー型認知症(約60%)
  • 血管性認知症(約20%)
  • レビー小帯型認知症(約10%)
  • 前頭側頭葉変性症

認知症には上記のような種類のものがあり、一番多いのがアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβという物質が蓄積して、神経細胞の障害が起こります。

そして、脳の記憶に関与している海馬という部分が萎縮していきます。

血管性認知症は脳梗塞や脳出血が原因で認知症になります。

認知症の症状は次のようなものがあります。

記憶障害
  • 数分前の出来事を忘れる
  • 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
  • 置き忘れをよくする
  • 約束を忘れる
  • 友人の名前が出てこない
  • 同じものを何度も買ってくる
時間、場所がわからなくなる
  • 日付や曜日がわからなくなる
  • 慣れた道で道に迷う
理解力、判断力の低下
  • 何かしらの手続きができなくなる
  • 状況判断ができなくなる
  • テレビの内容が理解できなくなる
  • 運転のミスが増える
仕事や家事、身の周りのことができなくなる
  • 仕事や家事に時間がかかるようになる
  • 料理、洗濯、掃除がきちんとできなくなる
  • 季節に合った服の選択ができなくなる
  • 食べこぼしが増える
  • 入浴の仕方がわからなくなる
  • 失禁が増える

認知症は早期対応が重要になります。

上記のような症状がある方はかかりつけ医に相談してみましょう。

アルツハイマー型認知症について

病態

アルツハイマー型認知症はアミロイドβというタンパク質が集まってできる老人斑が脳神経細胞外に沈着することや、高リン酸化したタウタンパク質( 神経軸索機能の維持に必須なタンパク質 )の神経原線維変化が脳神経細胞内で起こることで神経細胞が死滅して脳が萎縮することにより認知機能障害が発生します。

アルツハイマー患者の脳で、単球や脳マクロファージ細胞であるミクログリアが活性化していることから慢性の炎症性疾患であることがわかっています。

炎症反応によってTNF-αやIL-1といった炎症性サイトカインの生産増加も確認されています。

治療法は色々ありますが、根本的な治療法はまだ明らかになっていません。

アルツハイマー型認知症は遺伝要因や睡眠、運動、食生活といった環境要因が関係しています。

糖尿病がアルツハイマーを悪化させるということもいわれているので、食事、運動、睡眠といったしっかりとした生活習慣がアルツハイマー型認知症の予防には大切であると考えられます。

歯周病とアルツハイマー型認知症の関係

歯周病の原因は歯周病菌という細菌です。

歯周病についてはこちらの記事を参考にしてください。

その中のP.g菌(ポルフィロモナスジンジバリス)がアルツハイマーと関係しています。

P.g菌を投与されたマウスでの実験ではアルツハイマー病の原因であるアミロイドβが生産されるということがわかりました。

さらに、歯周病に感染したマウスは アミロイドβ(Aβ)を脳内に運ぶRAGEという受容体が増加することでアミロイドβが脳内に流入し、脳内にはアミロイドβが蓄積され、記憶力の低下が起こりました。

歯周病になると、歯肉に炎症が起きて出血しやすくなります。

お口の中の歯周病菌がその出血部位から全身に侵入する菌血症が起こることを考えると、歯周病によってアルツハイマー型認知症のリスクが上がることがわかります。

アルツハイマー型認知症の予防のためには口腔ケアがとても重要!

よく噛むことで認知症を予防

よく噛む人とよく噛まない人では認知症のリスクが変わってきます。

上記のグラフから自分の歯が20本以上ある人に対して歯がほとんどなく義歯も使っていない人は認知症のリスクが1.85倍も高くなることがわかります。

脳の学習や記憶に深く関わっている伝達物質をアセチルコリンといいます。

ラットによる実験では、人為的に奥歯を抜いて粉末のエサを与えていると、神経細胞の減少がみられ、記憶や学習の能力をつかさどる大脳海馬内のアセチルコリンが減少した。アセチルコリンの減少により情報伝達機能が低下し、人の認知症によく似た症状が現れた。

ラットによる実験で上記のような結果がでています。

このようなデータからしっかりと噛むことで脳が刺激され、神経の伝達物質が増加することで認知症を予防できる可能性が考えられます。

噛むことと脳の関係についてはこの記事を参考にしてください。

まとめ

認知症の増加は平均寿命の増加も関係しています。

人生は100年時代といわれています。

寿命が延びることで糖尿病、脳血管疾患、認知症などの全身疾患の予防がとても重要になります。

寿命が延びても健康でなくては意味がないからです。

好きなものも食べられず、どこにも行けず、ベットで寝たきりで100年過ごすよりも、健康でおいしいものを食べ、好きな場所で好きなことをして100年生きたいですよね。

そのためには健康でいなければなりません。

健康でいるために重要なのが食事です。

歯がないとしっかりとした食事ができません。

健康でいるためには歯を大切にしなければならないのです。

今でも痛みがなければ歯科医院に行かない人が多くいますが、将来ずっと健康でいるためには定期的な歯科医院での検診が必要です。

検診についてはこの記事を参考にしてください。

今日はこれでおしまいです。

おつかれさまでした!

参考文献

歯周病はアルツハイマー病を悪化させる 石田直之、吉 成 伸 夫、松 下 健 二、石 原 裕 一

Journal of Alzheimers Disease, vol. 72, no. 2, pp. 479-494, 2019

歯周病菌感染は全身の脳老人斑成分を脳内輸入させる~歯周病によるアルツハイマー型認知症関与を解明する新しい発見~ 九州大学

ペリオドントロジー&ペリオドンティクス 月星光博

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

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