「舌がヒリヒリして痛い」
このような症状が出たことはないでしょうか?
病院に行っても「何もないですよ」と言われた。
ものすごく痛いのに誰にも理解されない・・・とてもつらいですよね。
舌の見た目に異常はないのに痛みがある、それは舌痛症かもしれません。
今日は舌痛症とはどのような疾患なのか解説していきます。
舌痛症って何?
舌痛症とは口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)といわれ、
お口に器質的変化はなく(見た目に異常はない)、明らかな原因疾患は認められないが、ヒリヒリと火傷のような痛みが持続している
このような病態のことをいいます。
原因疾患があり、器質的変化があるものは二次性舌痛症といいます。
舌に痛みを伴う疾患はたくさんあります。
- 貧血(鉄欠乏性貧血、悪性貧血)
- 川崎病
- ベーチェット病
- 金属アレルギー
- 亜鉛欠乏症
- 口腔カンジダ症
- アフタ性口内炎
- ヘルペス、帯状疱疹などのウイルス感染
- 義歯、歯の鋭縁による刺激による傷 など
これらの疾患でないか検査をして、どれにも該当しない場合を舌痛症と診断します。
舌痛症の原因
中枢、末梢神経障害や心理的要因、ストレスが原因と考えられていますが詳しいことはわかっていません。
更年期の女性に多く発症するため、エストロゲンの減少などホルモンバランスが関係しているとも考えられています。
歯科での治療後に発症することもあります。
歯や義歯の刺激、真菌の感染、口腔乾燥なども考えられます。
舌痛症になりやすい人
発症頻度は全人口の0.7~3%に発症します。
1:8で女性に多いです。
特に40~50歳代の更年期の女性に多い疾患です。
心理的ストレスを抱えている人やうつ病などの精神疾患を患っている人に発症しやすくなっています。
舌痛症の症状
- 舌の2/3前方に多い
- 舌だけでなく口蓋、口唇にも痛みがでる
- 表在性の痛み
- 火傷をしたようなヒリヒリした痛み(灼熱痛)
- しびれるような感覚
- 何もしていないときに痛みがでやすい
- 食事、会話など何かに集中していると感じにくい
- 睡眠中も感じにくい
- お口の乾燥、味覚異常を伴うときがある
このような症状、特徴があります。
舌痛症の診断
- 1日2時間以上痛みが続く
- 3ヶ月以上症状が続いている
- 明らかな原因となる疾患がない
上記の条件を満たす場合に舌痛症と診断されます。
舌痛症の治療
原因が明らかになっていないため根本的な治療法はありません。
舌痛症の患者さんは心理的ストレスを抱えていることが多いですのでまずは、ストレスをなくすことを考えます。
歯科医院に行き、虫歯、歯周病の治療、お口の中の汚れをきれいにするクリーニングをしましょう。
必要に応じて、精神科、心療内科、ペインクリニックでの治療になります。
そこで、抗うつ薬、抗てんかん薬や漢方薬などの薬剤を用いて治療していきます。
また、認知行動療法が行われることもあります。
認知行動療法とは痛みを観察して認識することで痛みを乗り越えていこう、という方法です。
舌痛症は難治性でなかなか症状が改善しないことも多いため、治療期間が長期化します。
焦らず、ゆっくりと治療していくことが大切です。
まとめ
舌痛症は見た目は異常がないのに日常生活に支障がでる痛みが発生することがあります。
患者さんはかなりつらい思いをしているのになかなか症状は改善しないし、病院に行っても異常はないと言われることが多くどうしていいかわからない人も多いと思います。
心理的ストレスが関係していると考えられているので治らないことに焦りを感じると余計ストレスがかかってしまいます。
歯科医院や口腔外科、耳鼻咽喉科を受診して異常がないと診断されたら、精神科、心療内科を受診してみてください。
まずはストレスをためないようにして投薬や認知行動療法で焦らず治療していきましょう。
今日はこれでおしまいです。
おつかれさまでした!
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