加熱式タバコと歯周病の関係

健口

アイコス、グロー、プルームテックなど加熱式タバコも色々な種類があります。

紙巻タバコから加熱式タバコに変えたという人も多いのではないでしょうか。

加熱式タバコは以前の紙巻タバコと比べて健康に害はないから安心だよね!

・・・などと思っている人もいると思います。

加熱式タバコが健康に害はないという医学的根拠はありませんよ!

え!?そうだったの?

今日は加熱式タバコとはどういうもので、お口や体にどのような影響があるのかを解説していきます。

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加熱式タバコってどういうもの?

加熱式タバコは2014年に日本でも発売されました。

特徴は煙ではなく水蒸気(エアロゾル)を吸うということです。

エアロゾルとは気体中に浮遊する微小な液体または個体の粒子と周囲の気体の混合体です。

厳密には水蒸気とは異なります。

紙巻タバコはタバコ葉に火をつけて煙を発生させます。

アイコスなどは電池でタバコ葉を加熱してエアロゾルを発生させます。

プルームテックなどは液体を加熱して発生させたエアロゾルをタバコ葉に通して吸引します。

加熱式タバコは世界中で日本が一番使用している

加熱式タバコは日本で一番売れています。

2016年では世界シェアの96%が日本でした。

2020年には加熱式タバコは日本のタバコ市場の26%を占めていて、紙巻タバコからの移行が年々進んできています。

加熱式タバコの中ではアイコスが70%、グローが20%、プルームテックが10%となっています。

海外では加熱式よりも電子タバコが普及しています。

電子タバコは味のついた液体(リキッド)を電気の力で加熱してエアロゾルを発生させます。

この液体にニコチンが含まれているのですが、ニコチン入りのリキッドは日本では販売されておらず、入手するためには個人輸入する必要があります。

加熱式タバコには害はないは間違い

たばこには、ニコチン、タール、一酸化炭素、ニトロソアミン、ベンゾピレンなど数百種類の有害物質が含まれています。

紙巻タバコの煙と同じで加熱式タバコのエアロゾルにも有害物質が含まれています。

確かに一酸化炭素やタールは加熱式の方が少ないというデータはあります。

しかし、逆に紙巻より加熱式の方が多く検出された物質も存在します。

アイコスにはタールが含まれていないと言われていますが、国立保健医療科学院がHCI法にて分析した結果、タールが検出されています。

物質(mg/本)アイコス紙巻タバコ
タール13.419.2
ニコチン1.21.0
一酸化炭素0.4329.7
ニトロソアミン81.4557.1

つまり、

加熱式タバコは紙巻タバコより有害物質が少なくなっている、というだけで健康に害がないというわけではないのです。

加熱式タバコは発売されてから年数が浅いため、長期的な研究データが少ないですが、有害性を示す研究もたくさんあります。

2019年7月にWHOは加熱式タバコで健康上のリスクを低減することはできないため規制が必要であるという報告書を発表しています。

  • がん
  • 心疾患
  • 脳血管疾患
  • 呼吸器系疾患

紙巻タバコにある上記のような疾患のリスクは加熱式タバコにもあるということです。

加熱式タバコがお口に与える影響

紙巻たばこは非喫煙者よりも歯周病のリスクが何倍にもなります。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

では加熱式タバコがお口に与える影響はどうなのでしょうか?

加熱式タバコは発売されてから年数が浅いため、長期的な研究データが少ないですが、何かしらの悪影響を与えると考えられています。

歯周病への影響

電子タバコから発生するエアロゾルによって、歯根膜や歯肉に悪影響を与えるという研究データがあります。

虫歯への影響

電子タバコから発生するエアロゾルは虫歯の原因菌であるS.mutansの歯への付着力が通常の4倍に増加し、エナメル質の強度も約30%減少させるという研究データがあります。

その他の影響

電子タバコから発生するエアロゾルによって舌や頬粘膜に痛みがでるという報告があります。

まとめ

加熱式タバコは2014年に日本でも売り出されました。

そのためまだ加熱式タバコが体やお口に与える長期的な研究データがありません。

確かに紙巻タバコに比べると有害物質の量は少ないものもあります。

しかし、紙巻タバコよりも多いものや未知の有害物質の可能性もあります。

そのため、

  • 紙巻タバコよりも少ない有害物質もあるが、同程度のものや多いものもある。
  • 発売されて日が浅いため体やお口にどのような影響を与えるのかはわかっていないことも多い。
  • 健康に悪影響を与えるという研究データがある。
  • 「加熱式タバコは健康に害はない」ということではない。

このような認識を持つ必要があります。

禁煙のために加熱式タバコに変えるという人がいますが、上記のリスクがあることと、ニコチン依存は継続することを忘れてはいけません。

健康のことだけを考えるなら紙巻も加熱式もやめるのが一番ということですね。

今日はこれでおしまいです。

おつかれさまでした!

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