「歯周病でグラグラだった歯が抜けてしまった。」
「虫歯で歯が割れてしまった。」
「歯が痛くて抜いてもらったがそのままにしている。」
このような状態で放置していませんか？
痛みがないからといってそのままにしておくとお口の中がボロボロになってしまい、いわゆる崩壊状態になってしまいます。
今日は歯がなくなった状態を放置するとどうなってしまうのか。そして、歯がなくなった場合はどのように治療していくのかを説明していきます。
歯がなくなると他の歯が動いてしまう
歯が抜けてしまったり、虫歯でボロボロになって隙間ができると、そのスペースに両隣の歯やかみ合わせの歯が動いてきてしまいます。
すると、さまざまな問題が起きてきます。
歯が動くことで起きてくる問題を解説していきます。
かみ合わせが悪くなる
歯が動くことでその歯だけに力がかかって痛みがでたり、ひどいときは歯が割れてしまうこともあります。
食事もしにくくなるので食べられるものが制限されます。
食べ物が詰まりやすくなる
歯が動くことで歯と歯の間に隙間ができてそこに食べカスがたまりやすくなります。
歯周病になりやすくなる
食べ物が詰まりやすくなったり、歯が動いて歯磨きがしにくくなることで歯周病が進行しやすくなります。
もともと歯周病で歯がなくなってしまった人はドミノ倒しのように歯がなくなってしまいます。
見た目が悪くなる
なくなってしまったのが奥歯でも放置してしまうと、いずれは前歯にまで影響がでてきて見た目にまで影響がでてきます。
見た目は変わらないから大丈夫と思っている人は要注意です。
奥歯がなくなってそのままにしていると必ず前歯もダメになってしまいます。
顎関節症になる
かみ合わせが悪くなることで顎が痛くなることがあります。
歯がなくなりすぎるとどこで咬んでいいのか自分でもわからなくなり、顎に負担がかかってしまいます。
歯だけではなく全身疾患にかかりやすくなる
お口の問題と全身疾患は関係性があります。
糖尿病、認知症、メタボリックシンドローム、誤嚥性肺炎、心筋梗塞や脳梗塞などになりやすくなります。
歯がなくなって食事がとれなくなることで、体力が落ちて、気力がなくなり、健康寿命が短くなるという研究結果もでています。
治療費が高額になる
いざ治療しようとするときにずっと放置していると治療部位が多く、治療費が高額になります。
定期的に検診に行って、掃除や小さい虫歯を治した方が治療費は少なくなります。
詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
歯がなくなってしまった後の治療
歯がなくなってしまった後の治療は大きく分けて
- ブリッジ
- 入れ歯
- インプラント
この３つがあります。
それぞれメリット、デメリットがあるので説明していきます。
ブリッジ
虫歯や歯周病、外傷などで歯が抜けってしまった場合です。
抜けてしまった歯の両隣を被せ物ができるように削合します。
型どりをして被せ物を作製して歯に装着します。
基本的には完全にくっつけてしまうので取り外すことはできません。
メリット
- 歯と同じような感触で食事がとれる
- 取り外しがいらない
- 保険適応である
デメリット
- 両隣の歯を削合しないといけない
- 歯の生え方によっては神経をとる必要がある
- 歯磨きが難しく虫歯になりやすい
- 歯のなくなる本数や歯の状態によってはできないこともある
入れ歯
歯がなくなったところに型どりをして入れ歯を作製します。
歯がなくなった本数や残っている歯の状態を考えて入れ歯の形を考えます。
入れ歯もずっとお口の中にあると汚れてしまうため、洗浄剤を使ってきれいにします。
メリット
- 歯の削除量が最小限
- １本の入れ歯から総入れ歯まで対応できる
- 保険適応である
デメリット
- 入れ歯が大きくなるほど食事をすると入れ歯が動くので食事がしにくい
- 入れ歯のバネがかかっている歯に負担がかかって歯の寿命が短くなる
- 違和感が大きい
- 取り外しての洗浄が手間
インプラント
歯のなくなってしまったところに専用のドリルで穴をあけてインプラントのネジを骨の中に埋め込みます。
歯ぐきの治りを待ってから上物を作製してかみ合わせをつくります。
よく勘違いされるのですが、インプラントにしたら何もしなくても永久に機能すると思っている患者さんがいます。
確かにインプラントは虫歯にはなりませんが、きれいにしていないとインプラント周囲炎という病気になります。
インプラント周囲炎とは歯周病のように周りの骨がばい菌によって破壊されて、最終的にはインプラント自体が抜けてしまいます。
インプラントをした後はより普段の歯磨きと歯科医院でのメンテナンスが大切になります。
メリット
- 歯とほぼ同じように咬むことができる
- 歯磨きがブリッジよりやりやすい
- 取り外しがいらない
デメリット
- 自費診療になるので治療費が高額
- 骨がなかったり、全身疾患があるとできないことがある
まとめ
歯科医院で治療をして痛みがなくなったから途中で来院しなくなる人は結構います。
歯を抜いた後にそのままにしたり、根っこの途中で治療をやめてしまったり、検診に来ないで歯周病で歯が抜けたり、虫歯でボロボロになった歯を放置するとお口の中が崩壊していきます。
２～３本歯がなくなっても食事がとれるから大丈夫と思って放置しているとお口の中はどんどん酷くなっていきます。
もちろん歯をなくさないことが一番ですが、なくなってしまってもそこでしっかりと治療をすることが大切です。
歯がなくなる→食事がとれない→栄養不足になる→元気がなくなる→健康寿命が短くなる
冗談ではなく歯がなくなると寿命が短くなります。
元気に長生きするために歯の治療、メンテナンスはしっかりと行いましょう。
今日はこれでおしまいです。
おつかれさまでした！
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