アイスおいしいなー・・・痛い!!
どうしたの?
歯がすごいしみたんだよね・・・こないだ歯医者さんに虫歯はないって言われたのに・・・
それは知覚過敏ですね。虫歯でなくても歯はしみることがあります。今日は知覚過敏の原因と予防方法について説明していきますね。
歯の構造
歯は歯根膜というクッション材を介在して骨の中に埋まっています。
歯の中には歯髄という神経が通っていて、象牙質に覆われています。
この象牙質は目に見えないくらいの小さな穴がたくさん開いていて、神経とつながっています。
エナメル質や歯肉に覆われているときは大丈夫ですが、虫歯や歯ぎしりでエナメル質が削れたり、歯周病で歯茎が下がってしまうと象牙質が見えてきて、そこに刺激が加わることで知覚過敏が生じます。
知覚過敏の仕組み【動水力学説】
象牙質に刺激が加わると痛みを生じる仕組みを説明する仮説に動水力学説があります。
実は知覚過敏の仕組みはまだわかっていないこともあり、仮説なのです。
現在は動水力学説が一番有力な仮説となっています。
象牙質には太さ0.9~2.5μmの小さな穴があいています。
これを象牙細管といいます。
象牙細管の中には組織液という液体が入っています。
これは正常な状態で歯髄→外側に少しずつ動いています。(1.4μm/秒)
エナメル質がある場合は大丈夫ですが、象牙質が出てしまっている場合だと、そこに刺激が加わることで象牙細管の中の組織液が急激に動くことで知覚過敏がおきます。
これが動水力学説です。
これが現在の有力説ですが動水力学説だけで説明できないこともあり今も研究されています。
知覚過敏をおこす原因
- 虫歯
- 歯ぎしり
- 強すぎる歯ブラシ圧
- 酸性のものの食べ過ぎでおきる酸蝕症
- 歯周病
これらが原因で象牙質がお口の中に出てしまいます。
- 冷たいもの
- 熱いもの
- 歯磨き
- チョコレートなどの甘いもの
- レモンなどの酸っぱいもの
上記のような刺激が象牙質に加わることで象牙細管内の組織液が急激に動き、知覚過敏が発生します。
知覚過敏の症状
「冷たいものを飲んだ時にしみる」
「歯を磨くときに痛い」
などと感じます。
何もしなくてもズキズキ痛かったり、刺激が加わった後の痛みが1分以上ずっと続くときは知覚過敏でなく虫歯が進行したなど他に原因がある可能性が高いです。
知覚過敏を治すには?
知覚過敏は象牙細管内の組織液が刺激によって急激に動くためと説明しました。
エナメル質があると組織液が動かないため痛みは出ません。
つまり、何らかの原因で出てしまった象牙質を埋める、組織液が動かないようにする、知覚自体を鈍くする、ということで知覚過敏を改善できます。
歯科医院では知覚過敏抑制剤を歯に塗ることでこのような効果を出して治療します。
知覚過敏の対策
知覚過敏の原因をなくさないと、どれだけ抑制剤を塗っても治りません。
- 虫歯、歯周病の治療をする
- 歯ぎしりをやめる
- 歯磨きをゴシゴシやりすぎない
- 酸性の食べ物を控える
- フッ素、CPP-ACPを使う
虫歯、歯周病の治療をする
虫歯、歯周病がある人は、まずその治療を行います。
歯ぎしりをやめる
歯ぎしりも知覚過敏の原因となるので歯ぎしりに対する処置も行います。
歯ぎしりが原因の場合、どれだけ知覚過敏の薬を使っても歯ぎしりが治らない限り、知覚過敏は改善しません。
歯磨きをゴシゴシやりすぎない
意外に多いのが歯ブラシ圧が強くゴシゴシやりすぎている人です。
「頑張って磨いてください」というとみなさん本当に頑張って磨いてくれます。
しかし、正しい磨き方で頑張らないと逆に歯が悪くなってしまいます。
正しい磨き方で歯を磨くようにしましょう。
酸性の食べ物を控える
レモンやコーラなど酸性の食べ物をとりすぎると歯が溶けてしまう酸蝕症になります。
エナメル質が酸によって溶けてしまい、象牙質が露出することで知覚過敏になります。
フッ素、CPP-ACPを使う
フッ素やCPP-ACPで歯を強化することも有効です。
歯科医院で行う高濃度フッ素とお家で使うフッ素入りの歯磨き粉を合わせて使うと効果的です。
CPP-ACPは牛乳由来の天然成分で歯の強化に必要なミネラルを補うことができます。
これも歯磨き粉のようにペーストとして発売していますのでまた後で紹介します。
知覚過敏の症状がでたら、自分で判断せずに、歯科医院で相談しましょう!
【知覚過敏を改善!】おすすめ歯磨き粉
毎日行う歯磨き。
歯磨き粉の成分によっては知覚過敏を改善することができます。
歯磨き粉を選ぶポイントは
- 成分に硝酸カリウム、乳酸アルミニウムが入っているものを選ぶ
- フッ素配合を選ぶ
- 研磨剤は入っていないか、低研磨のものを選ぶ
硝酸カリウムは知覚鈍麻の効果があり、神経の反応を鈍くします。
乳酸アルミニウムは象牙細管の穴をふさいで知覚過敏を抑制します。
ホワイトニング用によくあるのが研磨剤です。
着色がよくおちるように研磨剤が入っているのですが、知覚過敏の人には歯が削れ過ぎてしまい症状が悪化してしまうため、入っていないものか、低研磨のものを選びましょう。
シュミテクト バリア&プロテクト
知覚過敏ケアといえばシュミテクトです。
神経の反応を鈍くする硝酸カリウム配合です。
1450ppmのフッ素も配合ですので知覚過敏ケアと虫歯の予防もできます。
システマ センシティブ
神経の反応を鈍くする硝酸カリウム、
象牙細管の穴を埋める乳酸アルミニウムを配合しています。
1450ppmのフッ素も配合です。
低研磨なので歯を傷つけにくくなっています。
MIペースト
歯磨き粉ではないですがMIペーストもおすすめです。
MIペーストはCPP-ACP配合の歯のクリームです。
歯の再石灰化に必要なカルシウム、リン酸といったミネラルが唾液の何倍も含まれています。
ミネラルによって歯を強化することで知覚過敏を改善します。
上記のように使います。
フッ素と併用することで効果が高まるため、フッ素入りの歯磨き粉で磨いた後に塗ると効果的です。
メロン、ストロベリー、バニラ、ヨーグルト、ミントの5種類の味があり飽きることなく使うことができます。
まとめ
ドラックストアなどで知覚過敏に効く商品は今回紹介したものも含めたくさんあります。
しかし、知覚過敏の直接の原因をなくさない限り、治らなかったり、再発を繰り返してしまいます。
つまり、虫歯、歯周病、歯ぎしり、過剰な力でのブラッシングなどです。
このような原因を取り除きながら知覚過敏用の商品を使うことで効果があります。
知覚過敏は冷たいものがしみておいしく食事がとれないこともあります。
せっかくの食事がストレスになるのは嫌ですよね?
自分で判断せず、歯科医院で相談して知覚過敏を治しましょう。
今日はこれでおしまいです。
おつかれさまでした!
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