歯周病ってどんな病気?

歯周病

テレビとかで歯周病ってよく聞くけど実際どんな病気なの?

歯茎が腫れたり歯が抜けちゃう、ってことしか知らないかも。

簡単にいえば歯を支えている骨や線維がばい菌によってなくなってしまい、最終的には歯が抜ける病気です。

そのしくみについて説明しますね。

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歯と歯周組織の解剖

歯周組織とは歯を支える組織のことです。

上記の図は歯の断面図ですが

  • セメント質
  • 歯肉
  • 歯槽骨
  • 歯根膜

この4つのことを歯周組織といいます。

歯は歯槽骨という骨に歯根膜という線維とつながって生えています。

歯根膜はセメント質とつながっています。

歯周病はこの歯周組織がばい菌によって破壊されることをいいます。

歯周病とは

歯周病は大きく分けて

  • 歯肉炎
  • 歯周炎

の2つに分類されます。

2つの違いは

歯肉炎:炎症が歯肉だけにあるもの

歯周炎:炎症が歯根膜、歯槽骨まで進行して喪失したもの

ということになります。

歯周ポケット

「あなたの歯周ポケットは~」

歯科医院で1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ここは3mm、ここは4mmっていわれるけど何を検査しているの?

歯科医院で歯茎の検査をするときは

下図のようにプローブという器具を歯と歯茎の中に入れます。

歯周ポケットの測定

一般的に歯周ポケットと説明されるのは

図のaの長さです。

bは歯の基準点を決めて測定しています。

歯科医師はこの長さで歯周病の状態を診断しています。

歯周ポケットが深くなると

歯周病の進行に関係するばい菌が増えていってしまいます。

歯周病の原因

歯周病の原因って何?

歯周病の原因は

お口の中のばい菌です。

ただ、ばい菌も1匹や2匹ではあまり力は強くありません。

お口の中が汚れれいると

ばい菌の数はどんどん増えていきます。

そして、さまざまな種類のばい菌は歯の周りに集まって1つの塊になります。

これをバイオフィルムといいます。

歯周病の原因であるバイオフィルムの説明

上記の図のようにバイオフィルムは歯に形成されます。

ばい菌がお口の中に長期間生息するためには

歯茎などの柔らかい組織ではなく

固い組織が必要だからです。

歯周ポケットの中のばい菌

歯周病の進行に関係するばい菌は

酸素がないほうが元気に活動するんです。

このようなばい菌をグラム陰性嫌気性菌といいます。

歯周ポケットの中は酸素がなく、ばい菌が生息しやすい環境になってます

歯周ポケットの中のばい菌は

歯茎のを上皮を破壊して出血させます。

(歯磨き中の出血はこれが原因です)

血液中の鉄分を栄養にしてばい菌はどんどん増殖していきます。

バイオフィルムは、ばい菌が出す菌体外重合体物質(EPS)という物質によって外敵から守られています。

これによってバイオフィルムは

抗菌薬が効きにくく

自分の免疫も効きにくいのです。

バイオフィルムは、歯に強固に粘着しており

抗菌薬、免疫も効きにくいため

機械的に除去するしかありません。

しかし、深い歯周ポケットの中のバイオフィルムは歯ブラシではなかなか取り除くことができないのです。

これが歯周病が進行する原因となっています。

まとめると

歯周病の原因は

細菌の集合体であるバイオフィルム

バイオフィルムの問題点は

抗菌薬が効きにくい

免疫が効きにくい

機械的に取り除くしかない

深い歯周ポケットには歯ブラシは届かない

ということです。

歯周病はどのように進行するの?

一言でいうと

歯周炎は自分の免疫の副作用で進行する

・・・どういうこと?

ってなりますよね。

順番に説明していきます。

免疫とは

体の中に侵入しようとする細菌やウイルスを

体が異物と認識して排除しようという働き

免疫細胞というものが、それを行っています。

歯周ポケットの中にばい菌が侵入すると

免疫細胞がやってきてばい菌を排除しようとします。

上記の図のように

ばい菌より免疫が強ければ大丈夫ですが

ばい菌の方が免疫より強くなり、この状況が放置されると

歯周病は進行します。

歯周病の進行メカニズム

歯周病の進行メカニズム

上記の図が歯周病進行の流れになります。

1つ1つ説明していきます。

①:

バイオフィルムからLPSが放出

バイオフィルムからLPS(リポ多糖)という成分が放出され

LBP(リポ多糖結合タンパク)と結合し

LPS-LBP複合体がつくられます。

LPSとはリポポリサッカライドの略で、歯周病菌であるグラム陰性菌の成分です。

②:

マクロファージが活性化されIL-1、TNF-αが放出

マクロファージとは先ほど説明した免疫細胞の一つです。

マクロファージのCD14というところで

LPS-LBP複合体を補足して

マクロファージはIL-1、TNF-αなどのサイトカインを放出します。

サイトカインとは免疫に関係する低分子タンパク質です。

③、④:

IL-1などのサイトカインにより破骨細胞が活性化する

IL-1によって骨芽細胞はMCSFという因子の放出、

RANKLという因子が発現して

破骨細胞前駆細胞のMCSFレセプター、RANK

結合することにより

前駆細胞は破骨細胞へと変化していきます。

この破骨細胞が名前のとおり歯槽骨を破壊していきます。

⑤:

TNF-αなどのサイトカインにより線維芽細胞がタンパク質分解酵素を放出

マクロファージから放出されたTNF-αなどのサイトカインが

線維芽細胞に作用すると

メタロプロテアーゼ(MPPs)などのタンパク質分解酵素を放出して

歯根膜を破壊します。

専門用語が多く、細かくなっていますが

これが歯周病が進行する仕組みになります。

ばい菌を排除しようとする体の免疫で歯周病になっちゃうんだね。

細菌自身も

コラゲナーゼ、トリプシン様酵素を生産して

歯根膜組織を破壊します。

免疫細胞の1つである好中球も

細菌を貪食して死んでしまったあとに

タンパク質分解酵素を放出して

歯周組織を破壊します。

しかし、これらは体の免疫による破壊と比べると

割合は少ないようです。

ちなみに、歯茎から出てくる膿は

死んでしまった好中球の死がいです。

歯周病の助長因子

歯周病の直接的な原因にはなりませんが

細菌感染を大きくしたり

免疫力を下げてしまい

歯周病を悪化させるものを助長因子といいます。

局所的な助長因子

  • 歯石
  • 歯の根っこの形
  • 口呼吸
  • 歯に合っていない被せ物

全身的な助長因子

  • たばこ
  • 年齢
  • ストレス
  • ホルモン
  • 服用薬剤
  • 糖尿病などの全身疾患
  • 肥満

などいろいろあります。

まとめ

お口のなかでは

ばい菌と体の免疫力が常に戦っています。

歯周病を進行させないためには

睡眠、食事、運動など規則正しい生活をして

毎日しっかり歯を磨き

定期的に歯科医院に検診に行く

ということが大事になります。

気になることがある人もない人も定期的に歯科検診に行きましょう。

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