矯正治療だけじゃない!よい歯並びを作る生活習慣

矯正

子供のときに矯正治療した方がいいって聞くけど、保険がきかないから費用もかかるし、時間もかかるし・・・どうしようかな?

子供がきちんと治療を続けられるかどうかも心配よね。

たしかに矯正治療は費用、時間の面で負担がかかってきます。しかし、矯正治療だけではなくお口の発育によいお家でできるトレーニング、生活習慣があります。矯正治療をやる、やらない関わらず行うとよいことなので今日はそれについてお話します。

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顔の発育

まず、顔の発育について説明します。

Scammonの発育曲線

上図はScammonの発育曲線といって

体の臓器、組織の発育過程を示しています。

リンパ系型:リンパ腺、扁桃腺、内分泌腺、胸腺

神経系型:脳、脊髄、視覚器官

一般型:身長、体重、筋肉、骨、内臓

生殖器系型:子宮、卵巣、睾丸

この中で顔の発育は脳に近いため

神経系型と一般型の間になります。

上顎、下顎で分けて考えると

上顎は下顎より脳に近いため、下顎より神経系型に近くなります。

上顎、下顎の発育

Scammonの発育曲線に入れると上図のようになります。

顔の高さ、幅、深さの三次元的成長の割合を示したのが下の表です。

大人の大きさを100%としています。

この表から

顔の大きさは6歳までに約80~90%発育する。

10~12歳で大人とほぼ同じ大きさになる。

ということがわかります。

成長の決定因子

成長の決定因子の考え方の1つとして

“Functional matrix theory (機能母体説)”

というものがあります。

成長の遺伝的コントロールは骨格系の外(骨を埋包する軟組織)にあり他の組織からの信号に応答する形で骨や軟骨の成長が起きる。

このように言われているのですが

顔のまわりで考えると

骨格系の外、つまり

筋肉、神経、脂肪など口腔、鼻腔から

構成される機能母体によって

成長量、方向が決定され

骨格の成長発育が起きるということです。

簡単にいうと

顔の骨格は口や鼻で行う食事や呼吸といった機能によって決まってくる

ということです。

これらのことから

この成長が活発な比較的若い時期に

発育によいことをすれば適切に顔は発育し、

発育に悪いことをすれば発育が阻害されてしまう。

適切な時期を逃すと成長はとまってしまう。

ということが言えます。

顔の適切な発育には適した時期、機能があるということがわかりました。

適切な時期に

適切な方法で

適切な咬合、呼吸、嚥下、発音などの機能、

適切な顔貌などの形態を

育成していくことを口腔育成といいます。

不正咬合の原因

かみ合わせが悪いことを

不正咬合といいますが

これには次のような原因があります。

先天的(生まれつき)問題

遺伝的原因

お父さん、お母さんが歯並びが悪いと子供も悪くなる。

・小帯異常

唇、舌のすじのつき方が悪い。

後天的(生まれてからの)問題

嚥下異常

飲み込み方が悪い。

口呼吸

鼻ではなく口で呼吸している。アデノイドなど鼻の病気の場合もある。

低位舌

舌の位置が悪い。

悪習癖

指しゃぶり、爪を咬む、唇を吸う、頬杖、うつぶせ寝などの悪い癖。

・乳歯の虫歯

つまり、これらを改善してあげることにより

よいかみ合わせができるということになります。

口腔育成の方法

口腔育成をするうえで

次のことを意識することが大切です。

  • 姿勢
  • 呼吸

これら3つは

相互関係にあります。

食を鍛えることで姿勢と呼吸が

姿勢を鍛えることで食と呼吸が

呼吸を鍛えることで食と姿勢が

それぞれ発育していきます。

『姿勢』について

正しい姿勢をとるためには

全身の筋肉の発達が必要です。

近年の子供は、生活の変化から

運動機能の低下が心配されています。

そして、姿勢を安定させる大きな要因として

足底接地が関係しています。

足底接地とは字の通り

足の底が地面としっかり接触することをいいます。

足底接地の説明

上図のように足が地面にしっかりとついていないと

重心が踵側に後退してしまいます。

すると、後ろに倒れないように

頭を前に出す姿勢をとるようになります。

前方頭位の姿勢

これを前方頭位といいます。

前方頭位姿勢では筋肉に舌骨が下に引っ張られ

低位舌や口呼吸が誘発されてしまいます。

これは立っているときだけではなく

座っているときでも生じます。

正しい座り方と間違った座り方

足がしっかりとついていないと

胸骨の位置が下がり、横隔膜の動きが阻害され

呼吸が浅くなります。

舌骨も下がってしまいます。

足底が接地した姿勢では

胸骨は上がり、横隔膜の動きが良くなり

効率の良い呼吸ができるようになります。

舌骨も上がるため舌もしっかり上げることができます。(低位舌の防止)

食事の時にしっかり足底接地が出来ていないと

摂食、嚥下に悪影響をおよぼすため

姿勢のよい状態で食事がとれるように

足の台の高さが調節できる椅子などを使って

環境を整えてあげましょう。

まとめると適切な姿勢には

筋肉を鍛えるために運動、食事、睡眠など規則正しい生活をする

立っているとき、座っているときも足底接地を意識する

背筋を伸ばし前方頭位にならないようにする

これらが必要になります。

そして、足底接地を改善するためには

足に合った靴を履く

矯正用靴下を履く

足指のストレッチをする

これらがよいとされています。

足指のストレッチのやり方

5秒ずつ、ゆっくり行い

左右の足で3分ほど行います。

このストレッチにより

子供の運動能力、足底接地が

改善したというデータがあります。

簡単にできますのでぜひやってみてください!

『呼吸』について

みなさんは呼吸をするときはどこでしていますか?

口で、という人は要注意です。

スポーツをしているときなど

酸素を多く吸うときは口も使いますが

基本的には鼻呼吸をした方がよいのです。

上図は顔の断面図ですが

正しいお口の状態は

唇は閉じる

歯と歯の間は2~3mmあける

舌が上顎にくっついている

鼻呼吸を行う

このようになっています。

口呼吸と鼻呼吸の混合歯列期の子供の顔の骨格を比べたとき

鼻呼吸の子供の方が成長量が大きかったというデータがあります。

さらに、鼻呼吸にはさまざまなメリットがあります。

鼻毛や繊毛がウイルス、ほこり、花粉などをブロック

扁桃リンパ組織が異物を防御

空気を温めて肺に送るため体を冷やさない

唾液量が増え、虫歯になりにくい

このように鼻呼吸には

口腔育成だけでなく

体全体の健康にも関係してきます。

鼻呼吸ができるようになるにはどうしたらいいの?

鼻呼吸をみにつけるには舌を鍛える必要があります。舌の筋肉が鍛えられ、正しい位置にあることが重要です。そのトレーニング方法はいくつかあるので説明していきます。

あいうべ体操

ガムトレーニング

口を使う遊び

他にも舌を鍛えるトレーニングはあるのですが

たくさん紹介しても全部はできないと思いますので

おすすめの3つを紹介します。

あいうべ体操

「あ」「い」「う」「べ」の発音に合わせて

口、舌を動かす体操です。

あいうべ体操によって

顔の周りの筋肉、舌の筋肉が鍛えられ

舌が正しい位置になる

口をきちんと閉じる

ことができるようになります。

あいうべ体操

発音するときに大きく口を動かすことを意識して

1つにつき4秒くらいかけてゆっくり行いましょう。

一日30セットが目標です。

発音しなくても大丈夫です。

顎が痛い場合は

無理をしないでできる範囲でやりましょう。

どこででもできますが

乾燥しにくいお風呂がおすすめです。

ガムトレーニング

ガムトレーニングも舌の筋肉を鍛えるのに有効です。

やり方は

ガムを左右の歯で均等にかむ

ガムを口の中で丸める

ガムを上あごに舌で押しつける

ガムを上あごに押しつけたままつばを飲み込む

これらを一日5分ほど行います。

ガムトレーニング

上図の緑色がガムです。

上あごに押しつけてつばを飲んだ時は

右の図のように三角になるとOKです。

舌の筋力不足だとうまくできなかったり

ガムの形がおかしくなります。

ガムの種類は

トレーニング用のガムや

キシリトールのガムを使ってください。

口を使った遊び

昔はよくやった子供の遊びで

風車

シャボン玉

にらめっこ

口笛

風船ガム

など、口、舌、顔を使った遊びは

顔、舌の筋肉を鍛えます。

トレーニングとしてやるのではなく

遊びとして取り入れることで

楽しく鍛えることができ

子供と一緒にやることで

親子のコミニケションにもなります。

『食』について

顔の筋肉、舌の筋肉が重要といいましたが

あいうべ体操などのトレーニングをしなくても

皆さんが毎日必ず行う

これらの筋肉を使う行動があります。

それが食事です。

よく噛むことで

顔の筋肉が鍛えられ

顎の骨にも刺激が伝わり適切に発達し

唾液もよくでて虫歯予防にもなります。

食事をとるときは以下のことに気をつけましょう。

食事中、できるだけ水分をとらないようにする。

噛み応えのある食べ物を選ぶ。

前歯でかぶりつくようにする。

水分をとりすぎると

よく噛まずに飲み込んでしまうため

水分は最低限に

食べ物を飲み込んでからとるようにしましょう。

口腔育成によい食べ物

前歯でかぶりつくことで

唇の周りの筋肉を発達させます。

一口で食べれてしまうものではなく

大きく前歯でかみ切るように食べるものにしましょう。

やわらかい食べ物だと

飲み込むように食べてしまうため

かみ応えのある固いものを選ぶようにします。

正しい嚥下をする

食べ物をかむことも重要ですが

飲み込むこと、つまり正しく嚥下をすることも

口腔育成にはとても重要です。

正しい嚥下とは

舌が上あごにくっつく

唇は閉じていてリラックスしている

飲み込むときに奥歯がくっつく

舌の後ろの方が軟口蓋(喉の奥)とくっつく

このようにして行われています。

舌が上に上がらず、前に出てしまったり

唇や周りの筋肉が緊張している、

口が開いてしまっている

などは誤った嚥下です。

嚥下は一日に約600回(通常:2~3分に1回 食事中:15~20秒に1回)

嚥下時の舌圧は約150~200

矯正治療では約80gが歯を動かす適切な力といわれているので

間違った嚥下により

歯に不適切な力が加わると

歯並びに悪影響を与えます。

嚥下の影響

しかし、正しく嚥下できていれば

上あごに舌によって刺激が伝わり

より大きく、適切に上あごは成長します。

舌の力が弱いと正しく嚥下することが出来ないので

前に説明した

「あいうべ体操」や「ガムトレーニング」で

舌の力、使い方を鍛えましょう。

アレルギーやアデノイドなど鼻の病気があるときや、舌小帯といわれる舌のすじの位置異常などがある場合は治療が必要ですので、歯科医院で相談しましょう。

また、正しい嚥下を身につけるためには幼児期から食事のあげ方を意識する必要があります。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

まとめ

口腔育成とは

ただ歯並びをよくするためではなく

食べ方

飲み込み方

発音の仕方

呼吸の仕方

姿勢

などを改善することで

適切な口腔機能を獲得し

健康寿命を延ばしていこう!という考え方です。

自分の歯でおいしい食べ物が

一生食べることが出来るということは

思っているよりも幸せなことなんです。

皆さんが「幸せだな」と感じるベスト5に

おいしい食べ物を食べたとき、という項目は入っていませんか?

人生100年時代

どうせだったら健康で幸せな人生を送りたいですよね。

成長が著しい子供のときに

正しい機能を身につけ

適切な成長をして

健康寿命を延ばしましょう!

今日はこれでおしまいです。

おつかれさまでした!

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