0歳から!お口を育ててぐんぐん成長しよう!

小児歯科

「歯並びは何歳から治療した方がよいですか?」

子供の診療をしていて親御さんからよくされる質問です。

歯並びを改善する矯正治療という意味で答えるなら「4~8歳」となります。

不正咬合の種類によって異なるので詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

しかし、「歯並びだけ」改善すればそれでよいのでしょうか?

実は歯並びだけよくてもダメなんです。

なぜならお口は食べて、話して、呼吸をするところだからです。

歯並びだけよくてもお口を動かす筋肉やその使い方が間違っていては正しく機能させることはできません。

お口を正しく機能させるには何歳から治療した方がよいのか?と聞かれたらその答えは「0歳から」となります。

お口を正しく機能させるのに必要なキーワードが「協調運動」と「自己組織化」です。

今日は「協調運動」と「自己組織化」について解説して、それがどのようにお口の発育に関係するのかを説明します。

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協調運動と自己組織化

協調運動

手と口など別々な運動を一つの動作として滑らかにつなげて行う運動

目で見て確認して、手で持って、口に運ぶ、これらの動作をつなげて滑らかに連動させることを協調運動といいます。

自己組織化

物質や個体が、系全体を俯瞰する能力を持たないのに関わらず、個々の自律的な振る舞いの結果として、秩序を持つ大きな構造を作り出す現象のこと

1つ1つの動きではぎこちなくても連動して動くことで滑らかに協調運動ができるようになります。

そして、それらの動きが意識をしなくても自律的に行うことができるようになることを自己組織化といいます。

皆さんは食べ物を食べるときに動きを意識していますか?

手で持つために腕と指を動かし、口に持って行って、口を開き、噛む、これらの動きは意識しなくてもスムーズに行えますよね。

歩いたり、呼吸をしたりするのも自律的に行っていると思います。

これらは何度も同じ動作を繰り返し、脳が学習することで自己組織化します。

0~2歳は自己組織化の大切な時期

0~2歳には体を支配する脳神経が、体を使えば使うほど洗練され、使わないと廃棄されたりします。

つまり、体を使えば使うほど脳は活性化されるということです。

生後1週から赤ちゃんは哺乳や呼吸で口唇、舌、下顎、頬の協調運動の学習を始めます。

はじめは哺乳もうまくできないかもしれませんが、哺乳に関する動きが自己組織化されるとうまくできるようになります。

離乳食が始まると、色々な食べ物に触れることでお口の感覚受容器は食べ物の大きさ、性状、温度を感じ取って脳に信号を送ります。

どのように口を動かせばうまく噛めるのか、どのように飲み込むのか、などのお口の協調運動はこの時期に学習して自己組織化されます。

0~2歳に食事、呼吸、姿勢などの正しい体の使い方を学ぶことが重要です。

正しい哺乳についてはこの記事を参考にしてください。

正しい動きを身につけることで口は成長する!

協調運動と自己組織化についてはわかったけど、それが口の発育とどう関係するの?

成長の決定因子の考え方の1つとして“Functional matrix theory (機能母体説)”というものがあります。

Functional matrix theory (機能母体説)

成長の遺伝的コントロールは骨格系の外(骨を埋包する軟組織)にあり他の組織からの信号に応答する形で骨や軟骨の成長が起きる。

骨の成長はそこに加えられる力学的な負荷が増すにつれて大きくなります。

ここでいう負荷とは皮膚や筋肉、粘膜などの軟組織や自然に加えられる応力や重力、矯正装置による外力のことをいいます。

骨の成長は遺伝によってある程度決められていますが、骨に外力が加わることで遺伝的に定められた骨と軟骨の成長が変わって、最終的に器官の形態が変わるということです。

食事や呼吸のやり方が間違っていてお口の周りの筋肉や舌の力が強すぎても弱すぎても正しく成長しません。

正しい動きを身につけることでお口は成長して結果、歯並びもよくなります。

お口の発育は呼吸、食事、姿勢が大切!

健康な口、健口を育てるためには、歯並びだけをみているのではダメです。

お口だけを見るのではなく、お口が体の一部として体全体を見なくてはいけません。

なぜなら、健口づくりのためには体も健康で十分に発育する必要があるからです。

体が発育していないのにお口だけ発育することはありません。

健口づくりには「食」「呼吸」「姿勢」が重要になってきます。

姿勢が悪いとお口に正しく力が伝わらず、発育しづらくなります。

姿勢が悪いというのは癖もありますが、体の筋力バランスや足底接地が悪いことも原因になります。

よい姿勢を意識することで必要な筋肉もつきますし、足底が床にしっかりとついていることもよい姿勢を保つためには重要です。

お口と足は離れているので関係ないように思えますが、実はとても深い関係にあります。

お口の発育には足やを鍛えることが重要です。

詳しくはこの記事を参考にしてください。

まとめ

お口を育てるためには体全体を育てなくてはいけません。

歯並びだけ見るのではなく、呼吸、姿勢、食事の仕方も意識してください。

そして、それは0歳から意識する必要があります。

大切なキーワードは「協調運動」と「自己組織化」です。

お口を育てることは、お子さんの将来の歯の寿命を延ばし、さらに、ずっと自分の歯でおいしいご飯を食べられることによるQOLの向上、その結果、健康寿命を延ばすことにつながります。

生まれたばかりの赤ちゃんを育てるのにそんなところまで考えられない!

という方もいると思いますので無理はしないでください。

ただ、知らないのと知っているのでは全然違います。

「しっかり座ってね」「よく噛んでね」「お口を閉じてね」何度も言うことで子供も学習していきます。

無理のない範囲でやってみてください。

今日はこれでおしまいです。

おつかれさまでした!

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