【歯並びが悪くなる!?】子供の悪習癖

小児歯科

子供の歯並びはお母さん、お父さんの気になるところだと思います。

子供の歯並びには色々なものが影響します。

遺伝、呼吸、食事の仕方、姿勢などです。

すべて重要なのですがその中でも頬杖や指しゃぶりなどの悪い癖が歯並びにかなり影響してきます。

今日は子供の歯ならびに影響のあるお口の悪習癖について説明していきます。

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悪習癖とは

お口の悪習癖とは

歯並びなどの形態に悪影響を与えるお口、お口周りの無意識に行ってしまう動作

のことをいいます。

お口の悪習癖があると歯並びが悪くなります。

歯並びは単純に見た目だけの問題だけでなく将来の歯の寿命にも関係してきます

歯並びがよいメリットについてはこちらの記事を参考にしてください。

悪習癖の種類

お口の悪習癖にも色々あります。

  • 舌癖(異常嚥下癖、舌突出癖、低位舌)
  • 口呼吸
  • 偏咀嚼
  • 態癖(頬杖、うつぶせ寝、猫背)
  • 指しゃぶり
  • 吸唇癖、咬唇癖
  • 咬爪癖
  • 歯ぎしり

これらは歯並びや顎の成長を邪魔するのでやめるようにしましょう。

また詳しく説明していきます。

悪習癖によっておこる悪い歯並び

悪い歯並びのことを不正咬合といいます。

  • 開咬
  • 過蓋咬合
  • 顎の正中のずれ
  • 上顎前突(出っ歯)
  • 下顎前突(受け口)

歯並びは遺伝によっても決まりますが悪い癖があるとより悪い歯並びになってしまいます。

開咬

開咬とは上下の歯がかみ合わずに隙間があいている状態です。

開咬の人の特徴は

  • 顔が長くなる
  • 口が閉じづらい
  • 食事がしづらい

このようなものがあります。

骨格からの問題と歯の問題の2つがありますが悪習癖が原因の開咬は歯の問題であることが多いです。

開咬になりやすい悪習癖は

  • 指しゃぶり
  • 舌癖

などがあります。

指しゃぶり

指しゃぶりは不安なときや緊張しているときに行うことが多い癖です。

1歳半~2歳のころに多く見られます。

3歳までの指しゃぶりはお口周りの筋肉を発達させる役割もあり、生理的な反応ですので無理にやめさせる必要はありません。

しかし、4歳を過ぎても指しゃぶりを行っている子供は要注意です。

なかなかやめることができなくなったり、歯並びや顎の成長に悪影響を与える恐れがあります。

3歳以降指しゃぶりが続いていたら

  • 幼稚園、保育園などで何か不安や心配なことがないかよく話し合う。
  • 寝る前に手をつないで安心させてあげる。
  • 指人形や好きなキャラクターがついているテープを貼る。
  • 専用の苦いマニキュアを塗る(上記を試しても効果がなかったときの最終手段)

これらのことを行い、4歳までにやめるようにしましょう。

舌癖(異常嚥下癖、舌突出癖)

舌突出癖は乳歯から永久歯の生え変わりのときの隙間が気になって舌を突っ込んだり、揺れる乳歯を舌で突っついたりして癖になることが多いです。

異常嚥下癖は幼児のときの舌を前に出す嚥下が残ってしまい、通常の舌を上顎に押しつけて喉の方に持っていく成人嚥下にうまく移行できなっかったことをいいます。

幼児嚥下と成人嚥下についてはこちらの記事を参考にしてください。

よい歯並びやお口が発育するためには舌の位置や力がとても重要になってきます。

舌が上顎にくっついていることにより上顎が発育します。

舌と唇のバランスがよいところに歯は並ぶため、舌が前歯を押してしまうと歯は倒れてしまいます。

「舌は上顎の口蓋にくっついている」という位置を確認して、あいうべ体操やガムトレーニングで舌の位置や力を鍛えましょう。

トレーニングの詳しい方法はこちらの記事を参考にしてください。

過蓋咬合

前から見てかみ合わせが深く、下の前歯が見えなくなることを過蓋咬合といいます。

過蓋咬合の人の特徴として

  • 噛んだ時、正面から下の前歯が見えない
  • 下の前歯の歯並びが悪い
  • 下の前歯が上の歯茎に咬み込んできている
  • 顔が短く、四角い顔になりやすい
  • 下唇の下がくぼむ
  • 出っ歯になる
  • 歯が削れている

このようなものがあります。

過蓋咬合は噛む力が強い人や歯ぎしりをしている人に多いかみ合わせです。

「かみ合わせが深いことが気になる」と言って矯正の相談に来る人は少ないですが、被せ物が取れやすかったり、歯が折れてしまうなど将来の歯の寿命に関わってくる不正咬合です。

  • 歯ぎしり、食いしばり
  • 硬い食べ物が好き
  • 頬杖
  • うつぶせ寝
  • 吸唇癖、咬唇癖

これらが過蓋咬合になりやすい悪習癖です。

歯ぎしり、食いしばり

歯ぎしり、食いしばりにより奥歯が低くなってしまうことがあります。

力によって奥歯がしっかりと生えることができなったり、奥歯が削れることでかみ合わせが低くなります。

乳歯は柔らかいので歯ぎしりがあるとすぐに削れて歯が平らになってしまいます。

歯ぎしり、食いしばりが原因の過蓋咬合の改善方法としては

  • 歯と歯は普通はくっついていないということを伝える。
  • 歯がくっついていたら歯と歯を離すようにする。
  • ストレスが原因のこともあるので何か不安なことはないか話を聞く。
  • 硬い食べ物を避ける。

歯と歯は食事や話すとき以外は離れていることが普通です。

くっついていること自体がいけないことだと教えます。

歯ぎしり、食いしばりは大人にも見られる悪習癖で歯が折れたりする原因になりますので大人も治すようにしましょう。

詳しい改善方法はこちらの記事を読んでください。

頬杖、うつぶせ寝

頬杖やうつぶせ寝も歯並びや顎の発育に悪影響があります。

成長途中の顎に頬杖などで下顎に外力が加わると下顎が後ろに押されます。

下顎の成長が抑制されることで出っ歯(上顎前突)+過蓋咬合といった不正咬合になります。

片方の顎だけに力が加わると正中がずれることもあります。

  • 頬杖はやめる。
  • 寝るときはできるだけ上を向いて寝るようにする。

吸唇癖、咬唇癖

下唇を噛んだり、吸ったりする癖も不正咬合の原因になります。

下唇を噛むことで下の前歯は後ろに倒れて、上の前歯は前に倒れます。

かみ合わせが深くなるだけでなく出っ歯にもなりやすくなります。

指しゃぶりのように安心するためにやっていることもあるので、唇を噛ないように教え、よく話を聞いてあげてください。

上顎前突

上の歯が出ている出っ歯のことを上顎前突といいます。

下顎が後ろになって出っ歯になっている場合と下顎は正常で上顎が出ている場合があります。

下顎が後ろになっている場合のほうが多いといわれています。

上顎前突になりやすい悪習癖は

  • 口呼吸
  • 頬杖、うつぶせ寝
  • 吸唇癖、咬唇癖

頬杖、うつぶせ寝、吸唇癖、咬唇癖については先ほどの過蓋咬合のところを読んでください。

口呼吸

私たちは運動時などの緊急時を除いて、鼻で呼吸するのが正しい呼吸です。

口呼吸だと口を開けている「お口ぽかん」状態になってしまい、唇の力が発育しません。

すると、舌に押されて歯が前に倒れて出っ歯になります。

また、口呼吸だと舌が口蓋にくっついていない低位舌になりやすくなります。

先ほども少し説明しましたが、舌が上顎にくっついていることにより上顎は発育します。

顎の成長は上顎→下顎の順に成長するため、上顎が成長しないと下顎も成長することができなくなってしまいます。

実はこの鼻呼吸を身につける訓練は新生児、幼児期から始まっています。

正しい授乳や離乳食のあげ方でお口周りの筋肉を鍛え、鼻呼吸を獲得していきます。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

鼻呼吸は大人にも重要なことですので口呼吸かもという人は意識して鼻で呼吸するようにしましょう。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

下顎前突

下顎が上顎より前にある受け口の状態を下顎前突といいいます。

遺伝性が強く、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんが下顎前突だとなりやすくなります。

しかし、下顎前突が悪化する悪習癖があります。

それが低位舌です。

低位舌

上図のように舌は上顎の口蓋にくっついているのがよい舌の位置です。

①:歯と歯の間は2~3mmあいている

②:唇が閉じている

③:舌が口蓋にくっついている

④:鼻で呼吸している

これがお口のよい状態です。

舌が上顎にくっついていることで上顎は発育します。

低位舌になると上顎が発育せず、下顎が大きくなることで下顎前突を悪化させます。

舌を口蓋につけることを意識し、あいうべ体操やガムトレーニングで舌の力を鍛えましょう。

トレーニング方法はこちらの記事を参考にしてください。

下顎前突は遺伝性が強いので癖だけが原因でないことが多いです。早めの治療が効果がでやすいので、4~6歳の間には歯科医院で相談してみましょう。

顎の正中のずれ

片方の顎に力が加わると顎がずれて、正中がずれることがあります。

正中のずれを引き起こす悪習癖は

  • 頬杖
  • うつぶせ寝
  • どちらか片方だけで横を向いて寝る
  • 偏咀嚼

頬杖、うつぶせ寝は過蓋咬合のところを読んでください。

偏咀嚼

どちらか片方の歯でしか噛んでいないことを偏咀嚼といいます。

誰でも噛みやすい方というのはあります。

しかし、ずっと片方でしか噛んでいないと歯並びや顎の発育だけでなく、顔が曲がってしまったり、立った時の姿勢まで傾いてしまうことがあります。

偏咀嚼の人の特徴は

  • 正中はよく噛む側にずれる
  • よく噛む側の上の歯列は外側に倒れる
  • よく噛む側の下の歯列は内側に倒れる
  • 唇はよく噛む側の上りに傾く
  • 顎はよく噛む側にずれる
  • よく噛む側の目が細くなり、目じりが下がる

このようになっています。

左右バランスよく噛むことが重要です。

偏咀嚼の人が注意することは

  • 噛みにくい方でも噛む練習をする
  • 食事のときに横を向いて食べない(テレビを見るなど)

よく噛まない方での練習はガムを使うとよいです。

ガムを噛みにくい方で噛んでみて噛む練習をしましょう。

『噛む』ことと『脳』は密接に関係していて、噛めば噛むほど脳は活性化されます。

よく噛む子は頭がよくなるともいわれているため、バランスよくしっかりと噛むように心がけましょう。

噛むこと脳の関係についてはこの記事を読んでみてください。

まとめ

子供の骨は柔らかいので頬杖などの力が加わると簡単に歪んでしまいます。

成長途中の顎に異常な力が加わるとうまく成長できなくなってしまいます。

悪習癖は無意識にやっていることも多く、また、それがいけないことだと気づいていないケースもあります。

今回紹介した癖は歯並びや顎の発育に悪影響がありますのでやめるようにしましょう。

悪習癖のやめ方やトレーニングの方法、歯並びを詳しく相談したい人は近くの歯科医院で相談してみてください。

今日はこれでおしまいです。

おつかれさまでした!

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