【歯を白くしたい!】ホワイトニングの仕組みと注意事項

審美

歯の色が気になるからホワイトニングをしてみようかな。

今はネットでホワイトニングキットが売ってるから簡単だよね。

ちょっと待ってください!ホワイトニングは歯科医院で行った方がよいですよ。虫歯や歯周病になっているとホワイトニング効果がでなかったり、痛みの原因になります。海外製のホワイトニング薬剤は日本人には強力すぎることがあるので注意が必要です。

そうだったの!?もっと詳しく教えてください!

では今日はホワイトニングの仕組みやどのような種類があって、どうやって行っていけばよいかを説明していきます。

スポンサーリンク

色の三属性

まずは色について簡単に説明します。

色には属性があって

  • 色相
  • 彩度
  • 明度

この3つの要素で構成されています。

色相とは赤、青、黄、緑といった『色味』を表します。

彩度とは色の『鮮やかさ』です。色味の強さや色の濃さを表します。

明度とは『色の明るさ』の度合いです。明度が高いほど明るく白に近づき、明度が低いほど暗く黒に近づきます。

歯の色を見る

ホワイトニングを開始する時、まず患者さんの歯の色を見ます。

その時に「シェードガイド」というものを使います。

シェードガイドでは『A3』などと歯の色を表しますが、

Aは色相、

3は彩度を表し数字が大きいほど色が濃くなります。

これを明度順に並べて使います。

シェードガイドでは歯の色相を

  • A系統
  • B系統
  • C系統
  • D系統

の4つに分類します。

A系統

A系統は赤茶系の色相です。

日本人の多くはA系統に該当します。

比較的ホワイトニング効果がでやすい系統です。

B系統

B系統は赤黄系の色相です。

白人に多い系統で、淡い色味に感じます。

ホワイトニングの効果がA系統よりでにくいです。

ホワイトニングの回数を増やして対応します。

C系統

C系統はグレー系の色相です。

見た目がかなり暗い印象になります。

ホワイトニング効果が一番でにくい系統になります。

D系統

D系統は赤みを帯びたグレー系の色相です。

比較的ホワイトニング効果がでやすい系統です。

ホワイトニングの効果には個人差がある

ホワイトニングは歯の色の系統や質、変色の原因などによって効果に個人差があります。

先ほど説明した色相でもC系統<B系統<D系統<A系統の順番でホワイトニング効果がでやすくなります。

ホワイトニング効果がでやすい人

  • 歯の色がA系統の人
  • 年齢が若い人

逆に効果がでにくい人

  • 歯の色がC系統の人
  • 高齢の人
  • 歯に縞模様のある人
  • 歯に白濁(歯の一部分が白い)がある人

となっています。

年齢が若いとホワイトニング薬剤が歯に浸透しやすく白くなりやすいです。

しかし、高齢になると歯が固くなり、薬剤が浸透しづらくなって効果がでにくくなります。

歯に縞模様や白い部分がある人はその部分がホワイトニングによって逆に目立ってしまうようになります。

このような場合はホワイトニングの回数を増やすか、被せ物をして対応します。

ホワイトニングができない人

  • 虫歯や歯周病になっている
  • ホワイトニングする歯に被せ物がしてある
  • エナメル質形成不全、象牙質形成不全(歯が十分成長できなかった状態)
  • 妊娠中、授乳中
  • 無カタラーゼ症
  • 小児
  • 知覚過敏の症状が強い
  • 歯に亀裂が入っている

虫歯、歯周病になっている人はまずその治療から始めます。

虫歯のままホワイトニングをすると痛みの原因になります。

歯周病の場合はホワイトニングの薬剤が歯肉の炎症と反応してしまい、ホワイトニングの効果がでにくくなってしまいます。

治療で被せたところはホワイトニングで白くならないので、ホワイトニング後にやり直しが必要になることがあります。

歯の変色の原因

歯の変色には

  • 外因性
  • 内因性
  • 加齢によるもの

があります。

外因性は歯の表面に食べ物の色素やたばこのヤニなどがついて変色します。

この場合は歯科医院で専用の機械を使い洗浄することで着色をとります。

内因性は遺伝や代謝、薬剤の影響によって歯の内部に染み込んでしまった着色です。

この場合はホワイトニングによって改善させます。

加齢による場合は歯の象牙質という部分が厚くなり、象牙質の黄色い色が目立って歯が変色してきます。

加齢による変色はホワイトニング効果がでにくい傾向にあります。

歯が白くなる仕組み

ホワイトニングでは

  • 過酸化水素
  • 過酸化尿素

という成分の入った薬剤を使います。

歯の表面を少し溶かして薬剤を浸透させ、歯の有機質と無機質にくっついている着色の原因物質を切り離します。

そして、原因物質の分子を細かくしてバラバラにすることで歯を白くします。

また、切り離された有機質、無機質、原因物質の間が再石灰化することにより、エナメル質は光の乱反射を起こし象牙質の黄色い色を遮断します。

ホワイトニングは歯科医院で行おう!

「驚くほど白くなります!使い方は歯ブラシにつけて磨くだけ!」

と、いうような「ホワイトニング用」歯磨き粉が売っていますが、日本の歯磨き粉にはホワイトニング効果のある薬剤は含まれていません。

外因性の着色をとることで白くしているだけです。

このような歯磨き粉には研磨剤といわれる着色をとる成分が含まれているため、白くならないからといってゴシゴシこすりすぎると歯が削れすぎてしまいます。

患者さんへの説明

ネットなどで手に入れることができる海外製のホワイトニング薬剤は成分が強力すぎることが多いので、痛みがでることがあります。

日本人は歯のエナメル質が海外の人より薄いため強力なホワイトニング薬剤を使うと知覚過敏が起きやすくなってしまいます。

他にも虫歯がないか、歯周病になっていないか、歯に被せ物がしていないかチェックもできないため安全にホワイトニングをするためには歯科医院で口の中を見てもらってからにしましょう。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングにはお家で自分で行うホームホワイトニング

歯科医院で行うオフィスホワイトニング

ホームとオフィスの両方を行うデュアルホワイトニング

神経の死んでしまった歯に行うウォーキングブリーチがあります。

それぞれにメリット、デメリットがあるため一つずつ説明していきます。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは歯科医院で自分にあったマウスピースを作ってお家で自分でホワイトニングを行う方法です。

メリット

  • オフィスより白くなりやすい
  • 白さにムラができにくい
  • 後戻りしにくい
  • 薬剤だけ購入すれば何度もやり直せる

薬剤が時間をかけて歯に浸透していくのでムラなく白くなりやすいです。

ホワイトニングは一度白くなっても必ず後戻りをするため、マウスピースを作っておけば、変色が気になったときに薬剤を購入するだけでまたホワイトニングができます。

デメリット

  • 家で自分で行うため手間がかかる
  • 薬剤のチェックも自分で行う

ホームホワイトニングは製品にもよりますが、1日2時間のホワイトニングを2週間続けます。

これがめんどくさいと感じる方も多いと思います。

また、薬剤は歯ぐきにつかないようにするのですが、そのチェックは自分でやらなければなりません。

時間を守らず、やりすぎてしまうと痛みの原因になるため、行う時間も自分でしっかり管理しなくてはいけません。

手順

①歯の掃除

②歯の色の確認

③歯の型どり

④トレー完成

⑤トレーに薬剤を入れる

⑥お口に入れて約2時間まつ

⑦トレーを洗って終わり

⑧これを2週間行う

オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは歯科医院で行い、その場で終了する方法です。

メリット

  • 1回で終わる
  • 期間が短い
  • 自分でやることはないので手間がない

歯科医院で歯科医師、歯科衛生士がホワイトニングを行い、1~2時間程度で終わります。

数回行うことで効果がでやすくなりますが、基本的には1回で終わります。

結婚式などですぐきれいにしたい方におすすめです。

デメリット

  • ホームより効果がでにくい
  • ムラができやすい
  • 後戻りしやすい
  • 知覚過敏が起きやすい

1回で一気に白くするため、どうしてもムラができやすく効果もホームに劣ります。

薬剤が強力なので知覚過敏がでやすくなります。

手順

①歯の掃除

②歯茎の保護

③薬剤の塗布

④光を当てて終わり

デュアルホワイトニング

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方を行う方法です。

ホーム、オフィスだけより効果的に白くすることができます。

とにかく歯を白くしたい方、ホワイトニングで効果がでにくい方におすすめです。

施術回数が多くなり金額が高くなること、知覚過敏がおきやすくなることがデメリットです。

ウォーキングブリーチ

今までに説明したホワイトニングは歯の神経が生きているものに限られます。

虫歯や外傷で歯の神経が死んでいると普通のホワイトニングでは白くなりません。

神経が死んでいる歯の変色の原因は象牙質に入り込んだ細菌や微量に残った神経組織です。

そのため、歯の外からではなく中からホワイトニングを行います。

歯の神経が死んでいるとその歯だけ変色します。

まずは根っこの治療が必要になります。

上記の図は根っこの治療が終わった歯の断面図になります。

図のように歯の中に薬剤を入れてホワイトニングを行います。

2週間ごとに薬剤を交換、2~3回ほど行い、他の歯と同じ色になれば終わりです。

ホワイトニング後の注意事項

ホワイトニング後に注意することを説明していきます。

知覚過敏

ホワイトニングは歯の表面の「ペリクル」を取り除いて薬剤を歯に浸透させます。

ホワイトニング直後はまだペリクルがない状態なので一番知覚過敏が起きやすい時間帯です。

ペリクルは24時間で完全に形成されるので歯がしみるようであれば、鎮痛剤などで経過観察を行います。

それでも知覚過敏症状が消えない場合は歯科医院で知覚過敏の治療を行います。

お家ではフッ素CPP-ACPの歯磨き粉やペーストを使って改善することもあります。

ホワイトニング後の食事

ホワイトニング直後のペリクルがない状態で色の濃いものを食べると歯に色素が吸収され変色してしまいます。

ペリクルができる24時間は色の濃い食事は控えましょう。

ホワイトニング後に避けたほうがよい食べ物

  • コーヒー
  • 紅茶
  • 日本茶
  • ジュース
  • 赤ワイン
  • カレー
  • トマト、ほうれん草などの色の濃い野菜
  • ブドウ、ブルーベリーなど色の濃い果物
  • チョコレート
  • 醤油、ソース、からし、ワサビ     など

酸性の食べ物、カテキン、タンニン、イソフラボン、ポリフェノールを含む食べ物を避けましょう。

ポリフェノールは歯の色素沈着をおこしやすい成分です。

豆腐に含まれるイソフラボンもポリフェノールの一種ですので色は白いですが黄ばみの原因となるので気をつけてください。

また、口紅も変色の原因になるので注意が必要です。

コーヒーなどの飲み物でどうしても口にしたいときはストローを使ってできるだけ歯につかないように気をつけましょう。

飲み終わったら歯を磨くか、水で口をゆすいでください。

ホワイトニング後に食べてもよい食べ物

  • 牛乳
  • 白ワイン
  • 焼酎
  • お米
  • おかゆ
  • パン
  • ヨーグルト
  • チーズ
  • 鶏肉
  • 白身魚
  • お吸い物
  • カルボナーラなどのホワイトソース   など

後戻り

ホワイトニングをしても時間がたつとまた歯は変色してきます。

変色するまでの期間はその人の食生活や歯の質によって異なります。

ホームホワイトニングの方が後戻りしにくいので気になる方はホームをおすすめします。

変色が気になったときにホームでしたら薬剤を追加購入するだけでまたホワイトニングをすることができます。

後戻りは必ず起きますが

  • 歯科医院で定期的にクリーニングをする
  • 着色しやすい食べ物を避ける
  • 食後すぐに歯を磨く
  • コーヒーなど飲むときは歯につかないようにストローで飲む

これらのことに気をつけることで白さを保つことができます。

まとめ

にこっと笑ったときに黄ばんだ歯よりも白くきれいな歯の方がよいですよね。

虫歯や歯周病の治療と違い、ホワイトニングは絶対にやらないといけないわけではありません。

しかし、歯の変色により笑顔に自信がなく人前で笑えない、という人は意外に多くいます。

そのような人は一度ホワイトニングを考えてみてもいいかもしれません。

その時はまず歯科医院で相談してください。

ネットで購入できる海外製のホワイトニング剤はエナメル質の薄い日本人には強力すぎることがあります。

虫歯や歯周病があり、効果がでなかったり痛みがでることもあります。

ホワイトニングには行うことができない禁忌症もあります。

自分で判断するのではなくまずはホワイトニングができる歯科医院で相談してみましょう。

今日はこれでおしまいです。

おつかれさまでした!

コメント

タイトルとURLをコピーしました