見た目が気になるから歯の矯正治療がしたいけど・・・
何か見た目のためだけに矯正するって気が引けるわ・・・
保険が適応されないから料金も普通の一般治療よりも高額になるから迷うよね。
歯列矯正のメリットは見た目の改善だけではありませんよ。他にもたくさんのメリットがあります。今日は、歯列矯正のメリット、デメリットについて説明していきますね。
歯列矯正のメリット
まずはメリットについて説明していきます。
- 見た目がきれいになる
- 食事がしやすくなる
- 虫歯、歯周病になりにくくなる
- 発音がしやすくなる
- 適切な顎の発育を促すことができる(子供の場合)
- 全身的に健康になり、長生きにつながる
- 様々な不定愁訴の改善
見た目がきれいになる
歯の矯正を希望する患者さんで、一番多い理由が見た目の改善です。
出っ歯、歯がガタガタ、受け口など見た目が気になるかみ合わせはたくさんあります。
歯列矯正をすることでこれらを改善することができます。
歯だけでなく顔の見た目も変わるので自分に自信が出てきます。
歯がコンプレックスの人は多いので、人前で笑顔が見せられないという人も、歯並びを改善することで素敵な笑顔になることができます。
食事がしやすくなる
歯並びが悪く食事がしづらいことを、歯列矯正によって改善することができます。
かみ合わせが悪いまま食事をしていると顎に負担がかかって顎関節症になったり、左右どちらかばかりで食事をしていると顔が左右非対称になったりします。
食事がしやすくなるというのは歯列矯正の大きなメリットの1つです。
虫歯、歯周病になりにくくなる
虫歯や歯周病になる原因はお口の中に汚れが残って、そこでばい菌が増えていくからです。
歯並びが悪いと歯磨きがしにくくなるため、汚れが残りやすくなり虫歯、歯周病になりやすくなります。
かみ合わせがよく、歯に均等に力がかかっていればよいのですが、かみ合わせが悪く、1本の歯に異常な力がかかるとその歯は歯周病が進行しやすくなります。
これを外傷性咬合といいます。
そして、1本歯がなくなるとそれ以外の歯に負担がかかりやすくなり、ドミノ崩しのように歯がなくなっていってしまいます。
歯列矯正によって歯並びをよくすることでそのリスクを減らすことができます。
発音がしやすくなる
出っ歯やすきっ歯、受け口など歯並びが悪いと発音に影響があります。
アメリカでは矯正をする患者さんが多いのですが、これは発音の改善が大きな理由の1つになっています。
歯並びが悪いと「th」の発音がしにくくなるため矯正治療で改善するのです。
発音時に空気が抜けるような感じがあり、うまく発音できない人は矯正治療で改善できるかもしれません。
適切な顎の発育を促すことができる
成長期である子供のころに歯並びが悪いと顎がうまく成長できない場合があります。
特に下の歯が上の歯を覆ってしまう受け口はそのまま成長してしまうと下顎ばかり成長して上顎が成長しづらくなってしまいます。
大人になってから治そうと思っても顎の骨を切る外科矯正が必要になる場合があります。
子供のころの矯正によって顎の骨が適切に成長することができます。
全身的に健康になり、長生きにつながる
歯列矯正によって歯並びがよくなり虫歯、歯周病で歯がなくならないとずっと自分の歯で食事をすることができます。
歯がなくなってしまうと、食べにくいからという理由で偏食になったり、食べ物を丸飲みしてしまい糖尿病や栄養が偏ることで不健康になります。
食べにくいことで胃腸にも負担がかかってしまいます。
出っ歯で口が閉じづらいと口呼吸になり、体に様々な害をもたらします。
詳しくはこちらの記事を読んでください。
歯周病になると、糖尿病、心血管疾患、肺炎、アルツハイマーなど全身疾患のリスクが上がります。
歯周病になりにくいということはこれらの疾患のリスクを下げることができます。
様々な不定愁訴の改善
不定愁訴とは頭が痛い、体が重いなど自覚症状はあるが検査をしても原因がわからない症状のことをいいます。
- 顎の痛み
- アレルギー症状(アトピーや鼻炎など)
- イライラしやすい
- 頭痛、肩こり
- めまい
- 冷え性
矯正をする必ず解決するというわけではありませんが、かみ合わせが原因でこれらの問題が起こってくることが考えられます。
これらの問題を改善するために矯正をすることはおすすめしませんが将来の予防のためにはよいことだと思います。
歯列矯正のデメリット
次はデメリットについて説明していきます。
- 期間がかかる
- 費用がかかる
- 歯を動かすときは痛みがある
- 装置の見た目が気になる
- 歯にダメージが出ることがある
- 治療中は虫歯のリスクが上がる
期間がかかる
矯正治療は人にもよりますが2~3年はかかります。
そして、動かしたばかりの歯はもとに戻ろうとするのでリテーナーという装置を入れて後戻りを防止する保定期間が2年以上かかります。
治療中は月に1度、保定期間中は3ヶ月~1年に1度、歯科医院に行かないといけないため患者さんに負担がかかってきます。
費用がかかる
矯正治療は例外を除き保険が適応されません。
総額で400000~800000円、症例によっては1000000円を超える場合もあります。
見た目だけの改善ではなく食べ物が食べにくいなどで矯正をした場合は医療費控除が利用できるので費用を抑えることができます。
歯を動かすときは痛みがある
子供の場合は骨が柔らかいため違和感程度ですごい痛みは出にくいですが、大人の場合は痛みが出ることが多いです。
治療中は固いものが食べにくくなったりと負担がかかってきます。
しかし、痛みが出るのは治療後3日~1週間ほどなので治療中ずっと痛いわけではありません。
また、装置の発達により昔より痛みが出にくくはなっています。
装置の見た目が気になる
取り外しのできない装置を使うと治療中は歯についた装置が見えるため見た目が気になるという人もいます。
しかし、最近は白く目立ちにくい装置もあるため昔よりはよくなっています。
装置を歯の裏側につけたり、透明な取り外しのできるマウスピース型の装置がありますが、すべての症例で使用できるわけではないので歯科医院で相談してみましょう。
歯にダメージが出ることがある
成長途中の歯の根っこに矯正治療で力を加えると根っこの成長が止まってしまい、根っこが短くなることがあります。
無理な力により歯の神経が死んでしまうと歯の神経をとらないといけなくなります。
また、歯を動かすことで歯茎が下がり、歯がしみるなど知覚過敏の症状が出ることがあります。
これらの問題は100%なくすことは難しいですが、しっかりと診断をして歯に無理な力をかけたり、異常な歯の移動をしないようにして予防します。
治療中は虫歯のリスクが上がる
取り外しのできない装置を使うと装置周りには汚れがつきやすいため虫歯のリスクが上がります。
虫歯予防のためにしっかりと歯を磨いたり、検診で掃除をしてもらう必要があります。
虫歯予防についてはこちらの記事を読んでください。
まとめ
歯列矯正は見た目だけでなく食事のしやすさ、歯磨きのしやすさの改善により自分の歯の寿命を延ばすことができます。
しっかりとしたかみ合わせで食事ができるということは将来の全身的な健康にも関係してきます。
もちろんメリットだけではなく、デメリットもあるため全員が歯列矯正を行うことはできないと思います。
しかし、歯列矯正はしないよりもした方が絶対によいと思います。
それは、日々診療していて歯並びが悪いことで虫歯や歯周病になって抜歯をする人を見てきているからです。
今、日本は超高齢化社会です。
歯が早くになくなってしまうと絶対にQOL、生活の質が低下すると思います。
歯がなくなって入れ歯になると自分の歯の1~2割程度しか噛めなくなってしまいます。
噛めなくなると食事をすることがめんどくさくなり食事の量が減少してどんどん体重が減少していきます。
外食もいかなくなるので外にも出かけなくなります。
こうした悪循環により、生活の質が低下していきます。
寿命が延びても健康で、楽しく人生を過ごせないと意味がありません。
健康の期間である健康寿命を延ばすために歯列矯正を考えてみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
今日はこれでおしまいです。
おつかれさまでした!
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