歯科医院で虫歯の治療で詰め物したんだけどどんなもので治したのかな?
鏡で口の中を見せてもらっても何をしたかよくわからないことが多いわね。
歯科医院で行う詰め物には金属や樹脂など色々あります。今日はどのように虫歯の治療をしているのか説明していきますね。
歯の構造について
上図のように歯は歯槽骨という骨の中に埋まっています。
皆さんがご飯をかみ切ったりすりつぶしている所が歯冠という歯の頭の部分です。
虫歯はエナメル質→象牙質→歯髄と順に進行していき
それぞれC1→C2→C3といいます。
詳しくはこの記事を読んでください。
エナメル質の虫歯であるC1はフッ素を塗りながら経過観察をしたり
これから説明するコンポジットレジン修復をしたりします。
歯髄まで達してしまった虫歯をC3といい
この場合は虫歯になってしまった部分と感染してしまった歯髄を取り除きます。
詳しくはこちら
今回は主に象牙質まで虫歯になっているC2の治療法について説明します。
虫歯になりやすい部位
上図の3ヶ所が虫歯になりやすい部位です。
かみ合わせの面の虫歯を咬合面齲蝕(こうごうめんうしょく)
歯と歯の間の虫歯を隣接面齲蝕(りんせつめんうしょく)
歯と歯ぐきの境目の虫歯を歯頚部齲蝕(しけいぶうしょく)といいます。
虫歯の治療方法
虫歯の治療方法は
コンポジットレジン(CR)修復
インレー、クラウン修復
があります。
まずは痛みが出ないように麻酔をします。
麻酔
虫歯をとるときに痛くないように麻酔をします。
歯科で行うのは基本的に浸潤麻酔といって直接神経に麻酔するのではなく
骨にしみこませて歯の神経に麻酔をかけます。
骨には小さな穴があいているのでそこに麻酔液しみこんでいきます。
上あご、下あご、前歯、奥歯で骨の穴の状態が違うので
麻酔の効き具合も違ってきます。
下あごの奥歯が骨の穴があまりあいていないので麻酔液がしみこみにくいため麻酔が効きにくいです。
逆に、上あごの前歯は骨に穴がたくさんあいているので麻酔が効きやすいです。
虫歯をとる
エアータービンという器具で歯の虫歯になってしまった部分を削りとります。
削っているときに熱が発生するのですが
歯の神経である歯髄は熱に弱いため
水を出して熱を冷ましながら虫歯をとっていきます。
コンポジットレジン(CR)修復
虫歯をとりきったら今度は詰め物をしていきます。
歯科医院では「白い詰め物」や「プラスチックの詰め物」
といって治療することが多いです。
コンポジットレジンとは簡単に言うと
光で固まる樹脂
のことです。
コンポジットレジンの組成は
元となるマトリックスレジンに物性をあげるフィラーがシランカップリング剤で一体化しています。
歯に詰めるときはレジンが歯にしっかりくっつくようにボンディングという「のり」のようなものを歯に塗ります。
レジンははじめ柔らかいので形を整えてから
光(可視光線)を当てることで固まります。
かみ合わせをチェックしてきれいに磨いておしまいです。
インレー、クラウン修復
インレー修復とは型どりして外で作ってきた金属の詰め物をセメントで歯にくっつけることです。
保険の金属は合金で
金:12%
銀:50%
パラジウム:20%
銅:15%
その他
となっています。
虫歯が小さいときは一部分のインレーですが
虫歯が大きいときは歯を覆うように被せるクラウン修復になります。
実際のお口の中で見ると銀色に見えます。
インレー修復とコンポジットレジン修復の違い
インレー修復は型どりをして銀歯を作ってくるため治療回数が2回かかります。
CRは歯に直接詰めるため治療回数が1回で終わります。
その代わり虫歯をとって詰め物までやるため1回の治療時間は長くなり
口をあけている時間はインレー修復より長くなります。
CRはプラスチックのようなものなので金属であるインレーと比べて割れやすいです。
そのため奥歯の大きく詰める場合などはインレーの方が好ましいです。(特に歯ぎしり、くいしばりのある方)
CRは白色なので見た目は金属であるインレーより自然にみえます。
インレー修復は型どりをして外で作ってきたものをくっつけるため、どうしても歯を削る量が多くなってしまいます。
CRは虫歯だけをとって詰めることができるため歯の削除量は少なくすみます。
CRは詰めて、形を整えて、磨く、までを直接口の中で行うため
奥歯や治療しにくい部位によってはできない場合があり
術者によって治療のクオリティに差ができやすいです。
自費診療
奥歯で虫歯が大きいからCRはできない、でも銀色のインレーは嫌!っていうときはどうしたらいいの?
その場合はセラミックやジルコニアを使います。
しかし、これらは保険適応していないので
自費診療になります。
インレーは約3万円~6万円
クラウンは約7万円~15万円
で歯科医院によって差があります。
まとめ
お口の中は自分ではよく見ることができないためわかりにくいですが
歯科医院ではこのようにして虫歯の治療をしています。
歯科材料は日々研究されよりいいものが開発されています。
今は金属、樹脂が主流ですが今後もっといいものが開発されると
より治療の幅が広がりますね。
どのように虫歯の治療を行うかは
歯科医師の考え方、歯の状態、患者さんの希望によってかわってきますので
担当医とよく相談して決めてくださいね。
今日はこれでおしまいです。
おつかれさまでした!
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