毎日がんばって歯を磨いても虫歯になっちゃうんだよね・・・
歯磨きの他に何かできることはあるのかな?
それならキシリトールのガムを噛んでみてください。キシリトールは虫歯予防に力を入れているスウェーデンでも推奨されています。仕組みややり方を説明しますね。
キシリトールは天然の甘味料
キシリトールは糖アルコールといわれる5個の炭素をもつ炭水化物の一種です。
イチゴやナスなど果物や野菜にも含まれており
皆さんが食べているガムなどに含まれるものは白樺や樫などの樹木や植物からつくられています。
糖アルコールの中で最も甘く、砂糖と同じ位の甘味度ですがカロリーは砂糖の75%です。
吸収速度が遅く血糖値の急上昇を起こさない、代謝するのにインスリンを必要としないので糖尿病の人も安心です。
キシリトールはとっても安全
キシリトールは厚生労働省が食品添加物として認可しており、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)も効果を認めています。
アメリカ、カナダなど世界38ヵ国以上で食品、医療品として認可されており
アメリカ合衆国の食品衛生安全局もキシリトールは1日に摂取する量に制限はないとしています。
キシリトールは虫歯の発生を防いでくれる
キシリトールの虫歯予防のしくみは
唾液分泌の促進
再石灰化作用
虫歯菌(ミュータンス菌)が酸を出さない
虫歯菌の増殖を抑える
歯垢(プラーク)の量と質を変える
このようになっています。
1つずつ説明していきますね。
唾液分泌の促進
キシリトールなどの糖アルコールは味覚を刺激することにより唾液の分泌を促進します。
また、キシリトール入りのガムをかむことでさらに唾液が出やすくなります。
唾液にはお口の汚れを洗い流したり酸性に傾いたお口を中性に戻す働きがあるため虫歯予防に役立ちます。
再石灰化作用
キシリトールはお口のカルシウムと結合して歯の再石灰化を促します。
虫歯菌が酸を出さない
虫歯菌(ミュータンス菌)はお口の中の糖を分解して酸を出します。
これが虫歯の原因です。
ソルビトールなど他の糖アルコールも虫歯菌は酸をつくるなか、キシリトールだけは酸をまったくつくることができません。
つまり、キシリトールは糖でありながら虫歯の原因にならないのです。
虫歯菌の増殖を抑える
ミュータンス菌は糖を菌内にとり込み代謝することで酸を出します。
キシリトールはPTSという所からミュータンス菌内に入るとリン酸化されキシリトール5リン酸になります。
しかし、キシリトール5リン酸は代謝することができず、ミュータンス菌はエネルギーを使ってキシリトールに戻して菌外に排出します。
菌外に出たキシリトールはまた菌内にとり込まれエネルギーを使って排出されるということを繰り返します。
これを無益回路といいます。
このエネルギーの無駄遣いによってミュータンス菌の増殖を抑えます。
菌内のキシリトール5リン酸はすべて排出されず菌内に少し残ります。
そして、その残ったキシリトール5リン酸は糖を代謝して酸をつくる酵素(ホスホフルクトキナーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、ピルビン酸キナーゼ)を阻害することで酸の量を減少させます。
歯垢の量と質を変える
ミュータンス菌の中にはキシリトールをとり込むPTSがない非感受性菌が全体の10%ほどいます。
この非感受性菌は普通のミュータンス菌と比べて酸を出す量が少なく、歯垢(プラーク)をつくる不溶性菌体外多糖というものをつくりません。
不溶性菌体外多糖は粘着性がありネバネバしますので非感受性菌が多くなると歯垢が少なくなり、歯ブラシでの掃除がしやすくなります。
私たちがキシリトールを食べつづけていると10%しかいなかった非感受性菌と90%だった感受性菌の割合が逆転します。
このようにしてお口の中が虫歯になりにくい環境になります。
キシリトールの有効な使い方
食後、歯を磨いた後に食べる
1日3回、3ヶ月以上続ける
キシリトール50%以上のもの
砂糖、水飴などの糖類が入っていない
ガムかタブレット(ガムが噛むことができるなら唾液が出やすいガムがおすすめ)
キシリトールを継続的に食べることが重要です。
3ヶ月ほどで先ほど説明した非感受性菌の数が多くなりお口が虫歯になりにくい環境に変化します。
大人用
子供用
入れ歯用
まとめ
歯磨きで汚れをすべて除去することはほぼ不可能です。
虫歯予防にはさまざまな方法がありますがキシリトールを食べることはとても有効な方法です。
キシリトールによる虫歯予防には長期間行った臨床研究結果の裏付けがあります。
(2年間食後にキシリトールを食べた人たちと食べていない人たちを比較して虫歯抑制率を調べるなどの研究)
この臨床研究で良い結果があるものをエビデンスがある治療法といいますが医療ではこのエビデンスがあるかどうかが重要になってきます。
キシリトールの虫歯予防効果にはエビデンスがあります。
正しい方法で虫歯を予防しましょう。
では、今日はこれでおしまいです。
おつかれさまでした!!
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